味に自信あり、だが客足伸びず集客の支援事例

aburiyakoutan

【相談:20年の修業を積み開業したが、集客方法と経営の助言がほしい】

約20年間の飲食業の修業を得て、長年の夢だった店舗を開業した。
料理の腕に自信があるが、経営ノウハウは未熟だと自覚していて、開業半年だが思うように客足が伸びない。
集客・経営改善の助言がほしい。

企 業 名   炙り屋 煌炭(アブリヤ コウタン)
業    種    飲食店
所 在      豊見城市
資 本 金    個人事業
創    業   2014年4月
従 業 員     6人
相談事業者基本情報

圏内住民調べ客層絞る

【回答:市場調査を行い、ターゲットを明確に】

オーナーシェフの嘉手納州作氏は、県内外の飲食店等で修業を積み、腕を磨いてきた。自信がつき、夢だった自分の店を持つことを決心。上質な旬の食材いこだわり、炙りも最適な火加減にするため、異なる特徴を持つ備長炭を独自にブレンド、丁寧な仕事にこだわる。しかし、それにはコストがかさむ。

嘉手納氏は経営の経験が浅く、店舗運営のコストや管理やマーケティングの知識は豊富ではない。
メニュー数を増やしたことが効率を悪くし、適正な利益を確保できないこともあった。
集客を勘に頼り、市場調査不足やターゲットがあいまいなまま開店したため「高い」「少ない」など顧客の一言にコンセプトがぐらついたりもした。

「炭火焼」「旬の食材」という店の特徴を十分に伝え切れていなかった。
広報も飲食店紹介サイトや口コミに頼るだけでは客足は伸びない。統計データに基づく市場調査のため、県立図書館が提供する市場データベース「Mina](ミーナ)を活用し、分析した。

店の1キロ圏内には市内でも富裕層が多く、外食の支出率が高く、インターネットの接続率が高いことなどが分かった。
高品質な料理に反応し得るターゲット層が存在したのだ。近隣に手書きのチラシをポスティング、事業所向けにはファックス配布を始めた。新たにホームページを開設、知人の応援でフェイスブックなどのWEB発信も強化した。

コスト管理をしっかり行い、適正な利益の確保を

コスト圧縮にも取り組んだ。家賃・駐車場料金の再交渉を行い、固定費を削減。
メニューの数を絞り込み仕入れの効率化に成功した。よろず支援拠点サポーターの税理士の協力で新たな経営計画を作り、金融機関の支援も実現した。

現在、新規の顧客も増え始め、口コミなどで認知度を上げつつある。県内全酒造所の泡盛を取りそろえ、泡盛ファンの常連客もついてきた。今月からは女性向けのサラダバー、忘年会メニューにウコンをプレゼントすることも始めた。
うまい料理に愛嬌のあるスタッフも店の魅力だ。繁盛店として成長することを期待したい。

*この記事は2014年12月7日の沖縄タイムス(日曜版)『よろず支援拠点 カルテ@沖縄』に掲載された記事からの転載です。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう