CASE269 事業承継控え経営改善したい

【相談:売り上げ拡大と損益分岐点 どう設定】

 

相談事業者基本情報

●企 業 名 K社
●業   種 小売・卸売業
●所 在 地  沖縄県中部
●資 本 金 非公表
●創   業 非公表
●従 業 員 非公表

【相談内容】金物屋の事業を引き継ぐために経営改善に取り組んでいるが何から手をつけたらよいかわからない。業務を効率化するためのアドバイスがほしい。

【内容:まずは問題点把握から】

 

今回の相談者は、小売・卸売業を営む現経営者の父から事業を承継する予定の長男。承継者である長男はこれまで他の企業に勤めていたが、家業を継ぐため退職し、現場経験を積みながら、父親と二人三脚で家業を経営している。そして3年後には事業の引き継ぎを済ませたいと考えている。
 事業の状況であるが、父の長年の経営努力により顧客からの信頼を得て一定の顧客と販路をもっており、大きな債務を抱えているわけではなく、財務状況も悪くはない。しかし、相談者である長男と話しを聞いていると、いくつかの問題点を抱えていることが分かった。
 1点目の問題点は売上減少。それまで営業活動の中心となっていた父高齢となり体力的な衰えからこれまでのような営業ができなくなってきたことが主な原因。2点目は、不良在庫の増加。顧客からの注文に応じ、多様な商品を仕入れたものの在庫管理に手が回らず、不良在庫がかなりの量あるとのことだった。3点目は、業務効率の悪さ。商品数が多くなったことにより、店舗内の動線が悪くなり、顧客が目的の商品をみつけるのが難しくなった。販売員が顧客の代わりに探して商品を引き渡すという場面が増え、レジ対応が後手に回り、レジに行列ができてしまうという課題がでていた。これでは人手がかかり、商品の回転も悪く、顧客離れが進んでしまうという悪循環になってしまう
 問題点解決に向けて、まず不良在庫を圧縮し、現金化することをアドバイスした。具体的対応としては、たたき売り避け、ネット販売を通して必要とする顧客に販売していく方法をとることにした。早速実行したところ、顧客からの反応は良かった。そのうえ、取扱商品のサイズが小さいことも功を奏し、発送作業が比較的簡単に行えるというメリットもあった。結果、収益の安定に貢献する形となった。
 次に、POSシステム、アプリ導入による在庫管理の効率化することを勧めた。これまで棚卸に関しては、手書きの在庫表を作成していたため、時間がかかっていた。システムを導入し、在庫リストの数量をデータ化することにより、入出庫状況がすぐにわかり無駄な発注を防ぐことができ。後継者はITに関する基礎知識があったのでデータ処理への対応は問題なく、在庫状況の集計をしながらシステムへの情報登録を進めることによって商品情報の把握と整理が同時に進めることが可能となる。らにネットレジを導入し在庫情報とデータ連携することにより、売上・粗利益をリアルタイムで把握するという体制づくりも可能となる。
 これらの改善により、店舗販売や経理の面でかなりの部分が省力化でき、その分手薄になってしまった外回り営業やネット集客に人手をまわすことができ、売上拡大に力を入れられるようになる。
 このような課題に取り組みながら、○○の専門コーディネーターと連携して□□□の経営課題にも取り組んでいく予定である。
 事業承継では、後継者不足や後継者の事業へのモチベーション等が問題となることも多いが、今回の場合、後継者が事業への意欲を持ち、家業に入ることで見えてきた課題解決のために相談に訪れている。事業承継とともに、事業好転に向けて尽力することで、さらなる事業発展につながっていくであろう。よろず支援拠点としても今後も円滑な事業承継へ向けてサポートしてきたい。

よろず支援拠点としては身近な相談相手として、企業経営に関する様々な専門分野のコーディネーターが課題内容に応じてサポートできる体制を用意し、継続的な企業支援を行っている。相談は何度でも無料、積極的に当拠点を利用してほしい。

(よろず支援拠点コーディネーター 遠山 康英)

 ※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

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