CASE283 コロナ禍中の資金繰り・税金

【相談:コロナ禍中の資金繰り・税金】

 

相談事業者基本情報

●企 業 名 A社
●業   種 レンタカー業
●所 在 地  本島南部
●資 本 金 500万
●創   業 1996年
●従 業 員 5人

【相談内容】

2月決算法人の当社は新型コロナウイルスの影響により観光客が減少し資金繰りが悪化。セーフティーネット融資等を申請中だが、車両購入割賦代金・家賃の支払い、さらには4月末には法人税・消費税の納期限が到来する。資金繰り対策として何から手を付けて良いかわからない。アドバイスが欲しい。

【内容:納税猶予制度を活用し資金繰り対策】

 

融資の申し込みをしても融資実行までには時間がかかる。即効性のある資金繰り対策は、支払いを止めることである。相手方との交渉が必要になることもあるが、収入がない以上諸経費の支払いに関しては可能な限り「出血」を止める。

そこで、税金の支払いに対しては納税猶予制度の利用を提案した。新型コロナウイルスの影響により期限内の納税が難しい場合に、申請により税務署長の承認を受けて納付期限後に(必要に応じて分割して)納税ができるようになる制度である。もともと納税猶予の制度は存在していたが、新型コロナウイルス感染症まん延による国の緊急経済対策の一環で従来の納税猶予制度よりも有利な特例猶予制度(以下、「特例猶予」という)が施行されている。

特例猶予とは、今年2月以降同感染症の影響で前年同月比で一定の売り上げが減少していることや、一時的に納税が困難な法人・個人を対象に原則1年間猶予できるというもの。

相談者はセーフティーネット融資、持続化給付金による資金調達を行うと同時に、納税猶予制度等の活用によって支出を抑制することができ、当面の資金繰りの目途がついた。

沖縄国税事務所は、新型コロナウイルスの影響で納税が難しくなった方からの、猶予制度に関する質問や相談を専門に受け付けてくれる「国税局猶予相談センター」を開設。問い合わせはフリーダイヤル0120-826-167となっている。

新型コロナウイルスによる影響で中小企業・小規模事業者の経営が大きく揺らぐ中、我々よろず支援拠点の役割として、相談社に寄り添い、最適な資金繰り対策を提案していきたい。

(県よろず支援拠点コーディネーター・税理士・平良豊)

 ※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

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