CASE304 事業計画書への助言ほしい

【相談:事業計画書への助言ほしい】

 

相談事業者基本情報

●企 業 名 在宅ケア歩み株式会社
●業   種 医療・福祉
●所 在 地  八重瀬町
●資 本 金 非公表
●創   業 2020年9月(登記)
●従 業 員 非公表

【相談内容】

在宅ケアを行う訪問看護ステーションを設立するため、創業資金の借入申請をしたい。独学で事業計画書を書いたので、内容についてアドバイスがほしい

【内容:見せる・読ませる内容に】

 

嘉数陽介代表は、介護福祉士・看護師として17年間精神科病院を中心に勤務した後、経験を活かして地域に貢献したいと、精神疾患のある方への在宅ケアを志し、独立を決意。設備・運転など創業資金については金融機関からの借入を行いたいと、よろず支援拠点にオンライン相談があった。

 初回相談は8月、コロナ禍で創業関連の貸付審査には通常より時間を要していた。このため、普段以上に計画書の精緻さが必要と判断し、相談対応は税理士である遠山コーディネーターと2名で行うこととした。

 嘉数氏作成の計画書は、創業の背景、事業内容、市場環境調査データ、集客方法、計画数値の根拠など、必要な情報がきちんと網羅されていたものの、経験値や専門性の高さ、全年齢対象、24時間体制など、一番の強み、セールスポイントは読み込まなければ分かりづらい。また、計画数値の細かな矛盾点なども見受けられた。創業への想いや志したきっかけをじっくりと伺った上で、大きく2点のアドバイスを実施。①見せる・読ませる計画書作り ②数値計画の精査、である。

 まず、全体的に「読みたくなる」計画書にすること。嘉数氏の代わりに想いをすべて語る計画書にするのだ。要点が明確に分かるよう、各項目に要約をつけた。さらに、直接嘉数氏から説明を聞かなくとも、計画書を見た決裁者が事業内容や優位性、差別化要素を把握しやすいように見せる必要がある。数値はグラフ化するなど、視認性にもこだわった。

 次に、数値目標に矛盾や無理がないこと。特に収入計画、借入の返済計画については遠山コーディネーターから丁寧に複数回の助言を行い、事業可能性や返済能力を定量的に示す資料として完成度を高めていった。

 10月、当拠点を訪れた嘉数氏から無事法人登記が済み、資金調達も目処がついたとの報告を受けた。金融機関からは、100点の事業計画書だと褒められた、と嬉しそうに語ってくれた。今後は来年1月の開業に向け、情報発信や税務、会計面でも引き続きよろずで支援していくことを約束した。

問い合わせは在宅ケア歩み株式会社、電話098(996)1555

県よろず支援拠点コーディネーター・山城あゆみ)

 ※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098-851-8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

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