CASE330 情報通信技術 建築業でどう活用

【相談:情報通信技術 建築業でどう活用】

 

相談事業者基本情報

●企 業 名 M社
●業   種 総合建築業
●所 在 地  宮古島市
●資 本 金 非公開
●創   業 非公開 
●従 業 員 46名

【相談内容】

「ICT」や「IoT」といったキーワードが新聞やニュースでも取り上げられているが、建築業界を取り巻く現状や課題とICT化によってどのように課題を解決していくかアドバイスがほしい。

【内容:導入利点 具体的に説明】

相談者と話を進めていくと、建築業界における3つの課題が浮き彫りになった。(1)深刻な人手不足(2)3K職場のイメージが強い(3)生産性が向上していない。また、古くからの働き方が現在も引き継がれており、ベテラン幹部など経営環境の変化に抵抗感をもっていることもわかった。

(1)から(3)を解消するために、ICT技術を取り入れて経営環境を変えることのメリットとデメリットを説明した。

まず、社内の情報共有やデータの編集・管理といった作業は、最も手軽にICT化が進められる。これらの作業は単体では、多く時間を要さないため軽視されがちですが、準備時間や付属する作業時間が積み重なっていくことを考えると、ICT化で効率化を促すことが大切です。特に図面や台帳を紙媒体で管理している場合は、電子データ化することでインク代や紙のコストの削減が可能。さらに勤怠情報がタイムレコーダーやパソコンによる手入力で対応している場合は、スマートフォンアプリを導入できれば手間の削減できます。このように手間を減らして一人当たりの生産性をあげることが、生産性向上と人手不足解消に期待できることを説明した。

また、会計ソフトや日報はクラウド化することで、外出先からでも登録・閲覧ができるだけでなく、あとからの振り返りやメンバー間のコミュニケーションにも活用できる。

スマートフォンを使用していない年配の方であれば、取り入れた当初は抵抗があるかもしれないが、タブレットならメールチェックや簡単なアプリであればそこまで難い作業が必要なく、画面が大きいので図面や仕様書の読み込みにも向いていることも具体的な事例を紹介した。

小さいところからでも無駄を省いていくことで職場環境が少しずつ向上し、生産性の向上や若手入職者の増加といった建設業界が抱える課題に対処していけるかもしれませ ん。

建築業界におけるDX(※1)には、ICTをはじめとするデータやデジタル技術を計画・設計・施工・管理といった各段階で取り入れ、生産性向上や”施工・管理・維持の省人化・高度化によるビジネスモデルの変革ができるよう今後も相談者に情報提供をしていく。

(※1)DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でよい方向に変化させるという概念。

 

県よろず支援拠点コーディネーター・砂川淳一)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098-851-8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

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