CASE345 就業規則を見直したい

【相談: 就業規則を見直したい】

 

相談事業者基本情報

●企 業 名  S教室
●業   種 音楽教室
●所 在 地  沖縄本島中部
●資 本 金 個人事業
●創   業 2012年
●従 業 員 4人

【相談内容】

 コロナ禍で売上が激減した。雇用調整助成金などの支援施策を活用するにあたり、就業規則が現行の法令に則しているかを確認したい。法令遵守と安心して働ける職場づくりのためにアドバイスがほしい。

【内容:必要事項漏れなく記載】

【回答】
 同教室は複数の音楽講師をスタッフとして抱え、開設から10年近くがたつ。昨年3月以降、コロナ禍で大幅に売り上げが減少し、同年5月からはオンライン授業も開始した。休業や時短営業に伴い、雇用調整助成金や休業協力金等の支援施策の活用を検討する中で、以前作成した就業規則を見直す必要が生じた。

 経営者は法令を守り、従業員が安心して働ける職場を整備したいと考え、現行法令に則した就業規則になっているか見てほしいと相談してこられた。

 確認すると、作成された就業規則の内容には不備が散見された。就業規則には「絶対的必要記載事項」と「相対的必要記載事項」があり、絶対的必要記載事項には

1.始業終業時刻や休日等に関する労働時間関係事項
2.賃金の決定、計算および支払い方法に関する賃金関係事項
3.解雇の事由を含む退職に関する事項―がある。

相談者が作成した就業規則はいずれの事項にも不備があったため、各事項についてヒアリングで確認しながら見直しを進めた。
 労働時間については、始業終業時刻にいくつかパターンがあり、繁忙期には労働時間が長めになっている。まず勤務シフト表を作成し、繁忙期とそれ以外の時期で月ごとに労働時間が異なる「1年変形労働時間制」を導入することを提案した。

 賃金については実際に支給している各種手当の金額と、計算方法を記載するようにした。退職事項については、60歳で定年退職後、65歳までの継続雇用制度を定め、自主退職する際の規則を定めた。他にパワハラ・セクハラ等を禁止する規定を設け、ハラスメントを防止することが重要と助言した。

 何度かの相談を経て、法令に則した就業規則が整備できた。労働条件や諸規則が定まったことで、働く人も安心して働ける職場づくりが進み、労務管理も改善できた。就業規則は一度作成すればそれで終わりではない。法改正や事業所の状況の変化に合わせた見直しが必要である。今後も相談者からの雇用や労務に関する相談は続くと思われるが、引き続き支援していきたい。

県よろず支援拠点コーディネーター・平田勇次)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098-851-8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

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