CASE351 コロナ禍での学童保育所集客は

 

【相談: コロナ禍での学童保育所集客は】

 

相談事業者基本情報

●企 業 名  非公開
●業   種 児童福祉事業(学童・放課後児童クラブ)
●所 在 地 非公開
●資 本 金 非公開
●創   業 非公開
●従 業 員 若干名

【相談内容】

 学童保育所の児童の集客に苦心している。コロナ禍で利用する児童が増えず、利用頻度も高まらないため売り上げも減少している。集客するにはどのようにしたら良いか相談したい。

【内容:地域把握し特色を発信】

【回答】
  学童保育(正式には放課後児童健全育成事業)は、児童が放課後や休校日に安心して過ごせる場を提供するもので、社会的ニーズが高まっている。一方、保育所より設備や人員配置基準が緩やかで参入も多い。しかし十分に市場状況を把握しないで始めると、困難にぶつかることになる。

 相談者は、子育ての経験から、より児童に寄り添った学童を実現したいと考え、学童保育所を開所した。だが思ったように集客できない現実に直面。さらにコロナ禍でチラシ配布もできず、また休校も重なり誰にどうアプローチすれば良いか悩んでいた。

 課題は2点ある。第一に対象地域の学童の状況の把握である。校区における児童数、登校距離、既存の学童クラブの定員や利用料金、その特色を把握し、競争環境の有無を確認すること。第二に認知度を高めるための広報の施策である。

 広報では市場状況を把握することにより、特色の発信に力点を置くか、または周知に力点を置くかなど、内容の重点が変わってくる。今回は、児童の描いた絵や折り紙を配布するなど、同学童保育の特色を出して広報した。

 情報発信のターゲットは三つ。一つ目が利用児童の友人関係である。学童では友人同士が同じ所を利用する傾向にあるので、交友関係は効果が高い。

 二つめは児童の保護者。20代後半から40代前半までが多いためインターネットの活用が有効で、SNSやGoogleマイビジネスへ登録した。

 三つめは、保護者の就労先に知ってもらうこと。会社から学童の利用を薦めてくれる可能もあり、連携も考えられる。また定期的なポスティングは欠かせない。そうした取り組みを経て半年、徐々に問い合わせや見学が増え、利用者増へとつながった。

 経営の問題点を正確に把握するために必要な情報を集め、市場の状況を把握し、そこから具体的な行動を導き出すことが重要だ。
 五里霧中の状態ではどんな活動も打開策になりにくい。不確定な状況だからこそ、足元をしっかりと見据える必要がある。

県よろず支援拠点コーディネーター・鈴木和久)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098-851-8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

 

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