CASE354 首里城消失で販路開拓したい

 

【相談: 首里城消失で販路開拓したい】

 

相談事業者基本情報

●企 業 名 株式会社新垣カミ菓子店
●業   種 菓子製造業
●所 在 地  那覇市首里赤平町1-3-2
●資 本 金 100万円
●創   業 2007年
●従 業 員 8人

【相談内容】

 2年前の首里城焼失で売り場を失い、よろず支援拠点への相談でネット注文が少ない理由や新しい販路を知り改善。さらに主力商品の「手作りちんすこう」も販路に合わせた商品を企画したが、コロナ禍で発売の目処が立たない。

【内容:包装刷新 スマフォも活用】

【回答】
   

新垣カミ菓子店は法人化して14年だが、創業は古く琉球王朝時代の料理方を勤め上げた老舗である。今も古来の製法を変えず全て手作り。それが認められて首里城鎖之間に毎日250セットを納めていた。それが首里城焼失とともに消え、火災直後に首里公民館での相談会に来訪され相談を受けた。

当初は現商品のまま新たな販路を提案した。首里城公園と同じく美ら海水族館の管理権も持つ美ら島財団へセールスを行った。既存のネット販売は現実に沿わない内容とシステムだったため、老舗としてのストーリーを加え、スマホにも対応できる情報発信の効果で売上が150%を越えた。

相談者は美ら海水族館向けの新商品開発の意欲も見せた。水族館の多種の魚が写った画像に、QRコードを入れインストールすれば魚に合わせると数十種類の魚の解説が見れる。商品の小包装もSDGs対応のものだったので県に問合せて「沖縄県SDGsパートナー制度」に申請した。企画デザインに対しての美ら海水族館側の評価は高かったが、新型コロナウィルス感染拡大で緊急事態宣言が出て売り場がクローズして印刷を発注できず発売の目処が立たなかった。

首里城焼失に加えコロナ禍のダメージはあまりに大きかったが、相談者の意欲は衰えなかった。沖縄県物産公社へのセールスも行い、沖縄に行けない観光客が県外のわしたショップへ流れている情報もキャッチ。水族館を疑似体験できるこの商品は話題性があり売場にもメリットがある。

緊急事態宣言も解除となり観光市場も動き始めた。今月中に美ら海水族館と国際通りわしたショップ2階の「うみちゅらら」の売り場に並ぶことが決まっている。ニュースリリースも全国に向けて発信する予定である。

問い合わせは新垣カミ菓子店、電話098-886-3081

県よろず支援拠点コーディネーター・嘉数純)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098-851-8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

 

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