自身で考えたビジネスプランで独立・創業したい

【 相談内容: 独自のビジネスプランで独立したい】

現在IT業界でシステム開発の会社に勤めている。沖縄を訪れる観光客の増加と多様なニーズが生まれているが、小規模な宿泊施設では対応に苦労している。それらの課題に対応するシステムを考えた。商品化して販売する会社を作り独立・創業したいので支援してほしい。

相談事業者基本情報

企 業 名   H氏
業   種           システム開発・販売
所 在 地           本島中部地区
資 本 金           なし(個人事業)
創   業   0年
従 業 員           0名

 

【 回 答:商工会の創業塾を紹介】

H氏の構想するビジネスモデルとしては、中小・小規模事業の宿泊施設向けに、クレジット決済等も可能な機能を持った宿泊予約システムを開発して、リーズナブルな価格で普及させていきたいというもの。もちろん多言語で対応できるようにして、増加する外国人観光客の取り込みも可能にしていきたい。同じく低価格のホテルフロントシステムも企画している。小さな宿泊施設でも導入しやすいと思うので確実に広がっていくと思う。将来的には求人システムなども開発して商品化していくので事業実現性は高いと思うので、今の会社を辞めて早めに独立・創業の準備に入りたいということだった。

創業のための助成金や補助金がないのか、また観光関連なので沖縄観光コンベンションビューローの支援は受けられないか、という相談内容であった。

そもそも起業の動機は、事業を通じた自己実現の発露であり、自分のアイデアや能力・個性のビジネス化であるとも言える。しかし、アイデアやビジネスプラン、商品があれば起業できるというものではない。すでに同様なシステムは使われているし、優位性があるのか、差別化が可能なのかも検証が必要である。何より、会社は立ち上げる手順として、資金計画や市場・販路調査、創業手続きなどが必要になる。資金計画も開業資金、運転資金に分けて作る必要がある。そして創業後何年も持続発展していくための体制が必要である。また創業者としての資質を持っているかどうかも問われてくる。

ちなみに創業者の資質として挙げておくのは、①情熱と信念、②優れた独創性、③事業の経験、④幅広い人脈、⑤情報処理能力、⑥自己資金調達能力、などである。

若いH氏はそこまでの準備がまだできていなかった。そこで商工会や商工会議所の行っている創業塾を紹介した。自宅に近い商工会の創業塾に申し込み受講している。すぐに行動に移した実行力は起業に向けた情熱の表れであり評価できる。この創業塾で必要なことを学び、しっかり準備が整い次第、県の創業支援資金や沖縄振興開発金融公庫の新創業融資制度なども活用した支援を行っていくことができる。近い将来、彼の夢が実現して起業できることを楽しみにしていたい。

 

沖縄県よろず支援拠点チーフコーディネーター 上地哲

*この記事は2015年2月8日の沖縄タイム(日曜版)『よろず支援拠点 カルテ@沖縄』に掲載された記事からの転載です。

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